たとえ 呼吸が止まっても
ぐるぐると 一台のバンドワゴンで日本各地を周っている。
「一体どこまで行くんだろう?」
夜の闇にメンバー四人を乗せたバンドワゴンは吸い込まれていく。
ヘッドライトの灯りを頼りに暗闇を無闇に走っている。
街灯はぐるぐると同じ感覚で続いている。
まるで、どこまでも続くまーるい暗闇の中を走っているようだ。
夏に始まったツアーも、ぐるぐると各地を周って、とうとう終盤に差し掛かっている。
色々な箇所へ行った。
もちろんツアー中にはライブだけではなく、沢山の物事が移り変わっていった。
4月からやっていたラジオが終了し、新たなことも始まっていく。
沢山のことを同時進行で進めていた九州編では、今まで以上に体力を擦り減らした。
道中、何度も病院へ行っては、自分の保険証の住所が東京になってることで、そうだ、自分は東京都民だったんだ、と再確認した。
10/8(いよいよ明日)からワンマンシリーズが始まる。
今回のツアーでは過去最多の全5箇所でワンマンを打った。
というのも約3年ぶりにフルアルバムをリリースしたから だ。どの会場も「賭け」。
これは今のDroogにとっては大きな賭けで、勝てば成功するかもしれないという4都市、5箇所。
今の俺たちの精いっぱい。
売れてるバンドからしたら、小さなライブハウスばかりかもしれない。
でも俺たちみたいなバンドには、この壁はとてつもなく厚く、高く、感じる。
精いっぱいに立ちはだかる壁。
ミニアルバムや、シングル、映像作品だったらこんなにワンマンは打たなかったかもしれない。
ただ、フルアルバムに収録されてる多くの曲をライブで演りたい、聴いてほしいという気持ちと、昔の曲も含めて改めて今のDroogというバンドがどういうバンドか、ということを知って欲しかった。言ってみればベスト盤のようなライブを開催したかった。
今回の「命題」というアルバムを作った経緯を表現するには、昔の曲も演る必要があった。
ワンマンライブ、これはバンドにとって、とても贅沢なことだと思う。対バンと違って持ち時間がたっぷりとあって、好きなことを限りなくやれる。
そんな思いで開催を決めたワンマンシリーズ。
地元の大分から始まり、福岡、大阪、下北、渋谷と周っていく。
これ、もう正直、負けられない戦い。
今のDroogを見てほしい。
欲をいうなら知ってほしい。
もう、ここで駄目なら、駄目だと思う。
それくらいの気持ち。
これが今の俺たちのてっぺん。原点。
このてっぺんを越えなきゃいけないと思ってる。
進まなきゃいけない。
それが右でも、左でも、先でも、上でも、下でも、歩みを止めてはならない。
そして、このワンマンシリーズで越えなきゃいけない。
幼馴染のガキ共でバンドを組んで、大人になって、誰ひとり辞めずに、ここまでバンドが続いてるのが奇跡。
「一体どこまで行くんだろう?」
ぐるぐると丸い暗闇にまた吸い込まれながら、それでもバンドは進み続ける。それしかできない。
頭が悪いレベルじゃない。
思いっきり馬鹿、なんだ。
だったら思いっきり、やろうと思う。
カタヤマヒロキ
【Droog / Neon Sign (Live)】
最後まで読んでくれたあなたに。
ワンマンシリーズ直前として「Neon Sign」のライブ映像を公開します。少しでもライブのイメージし易くなれば、いいな。
気に入ってくれるかな。