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「Monochrome」超個人的全曲解説

2016年11月 別府スパビーチ

 

前作フル・アルバムを夏にリリースして4ヶ月という短い間隔でこうしてミニ・アルバムをリリースすることができた。

 

「命題」をリリースする段階でぼんやりと、冬にこの曲たちを出したいな、と思っていた。まず、その自分の中での構想が実現化したことが嬉しい。
このリリース直後のタイミングで改めて、ここ全曲解説を記載したいと思う。(クリスマスイヴに!)


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「Monochrome」

これを読みながら新譜「Monochrome」を聴くと、より近くに感じてもらう事ができると思う。

 

言っとくけど、長いよ?

よし、いこう。

 


【#1 青い道】

以前よりライブでやっていた「青い道」をやっと音源化することができた。結果的に今回のリード曲となった。

 

ひとつ前置きしておくと、去年出したライブDVDの特典にこの曲の弾き語りVer.が収録されている。この曲は2年と少し前にできた曲だ。
それから何度もアレンジをくり返し、何度も歌詞を書き換えた。作ったばかりの頃は「はじまり」しかなかった同曲に、「終わり」を付け、曲として完結させることが出来たので、音源化しようと思った。

 

それまでは曲の物語は、2番までしかなかった。それに3番が追加された。

 

歌詞で言うと、1番の「あてもなく歩いてた 探しものは なんだっけ」から、
3番の「あてもなく歩いてた 探しものは見つかった」と終わりをつけることができた。

 
「どんなことが起こっても、音楽を続ける限り、そして生きている限り、道は途絶えない」

そんな思いを込めて、アルバムのオープニングである一曲目に選んだ。
この曲ができたのは約2年前と先ほど書いたが、ちょうどこの曲を書いた直後くらいに母が旅立った。

 

ライブDVDに収録されている地元での弾き語り映像は、実は母親の初盆で別府へ帰省した際に撮ってもらったものだった。

2015年、8月のことだ。

 

その頃はまだあまり実感がなく、ただ鈍痛がずっとあるような感覚だった。小さい頃からの街並みを見るだけで鈍痛が走った。

 

そして、今回のミュージックビデオは母親の三回忌を兼ねて帰省した際に撮影してもらった。

 

あの時は笑えなかったことが、笑える。
あの時は1人で演奏していたものが、今回は4人で演奏している。

 

そんな前作からの続きとなっていて、巡り巡って全ての物事が繋がっていて、意味を持って、できあがった1曲です。

 

 

 


【#2 Tokyo Submarine】

前作「命題」に収録されていた「Tokyo Submarine」。大分から上京して、東京に住んで早5年。そんな中で感じる思いを書いた一曲。これと【Loser】については前回の解説でも書いたので割愛。

ただ、再録というのは初めてのことだったので、色々と面白かったし、分かったこともあった。再録した2曲を総じて前作に比べて、よりクリアに仕上がった。

 


【#3 Loser】

こちらも前作「命題」に収録されていた曲を再録音。前作に比べて、よりメロディラインの輪郭をはっきり立たせるアレンジに。

具体的に言うと、サビのコーラスを前作よりも増やして、いかにメロディラインを目立たせることができるかに挑戦した一曲です。

 


【#4 Make A Girl】

こちらはライブの定番曲を初音源化。

今までのDroogにはなかった曲調だけど、どこか切なさを感じさせる曲に仕上がったと思う。

この曲を書いているときは、自分の周りで暗い出来事ばかりで(まさに2年前くらい!)、まるで出口のない迷路に迷い込んだかのようだった。もう駄目だと思った。

 

でも、突然こんな曲ができた。無意識に。

 

これは、今思うになんだけど、そんな状態だからこそ今、自分が作る曲だけはせめて暗くない歌にしたい、と思って書いたんだと思う。

タイトルの「Make A Girl」は造語。
本場の人に聞いたら、意味はめちゃくちゃって言われたけど、どうしてもこの響きが気に入っていたので変えなかった。

 
意味は…

想像してみてね。

 

 


【#5 Rita】

「冬」、そして今回のアルバムカラーである「青」をテーマに制作された曲。

実は別府に住んでいる頃に悩んだ時によく行っていた近くの海を、思い出して書いた。

それともうひとつのテーマとして、八木重吉という詩人に「雨があがるように しずかに死んでゆこう」という一節があり、その言葉に影響を受けた。

これは解釈するに、雨が降り出したときはみんな気付くけど、あがる瞬間っていつの間にかあがってて気付かない、といった“静”の表現。

 

そんな“静かな終わり”というのをイメージした。サビの曲調がズチャズチャと軽快で明るいから(これもDroog初挑戦のリズム!)、歌詞は真逆をいきたいと思ったのがキッカケ。

 


【#6 Monochrome】

このアルバムのタイトルにもなった一曲です。母親の死の直後にこの歌を書いた。

タイトルの「モノクローム」の由来は「モノクローム」=「白と黒」=「骨と血」。

 

母親から受け継いだもの、ということ。
前回のブログでもふれたけど、アルバム全曲を通して、テーマカラーは「青」。だけど、自分の中にあるイメージは「ただの青」ではなかった。ずっと思い描いていた青は「白黒の上に乗っかった青」。

 

なのでタイトルを「モノクローム」とした。またの名を、「骨と血」。
このアルバムは、母が亡くなった頃に書かれた曲が収録されていて、前作「命題」よりも時系列的に前のストーリーだ。

 

全てのことが巡り巡って、繋がっている。
いや、繋がってきた。と言った方が正しいのかもしれない。
そして、これはまわりの人が助けてくれて、繋げていってくれているというのもある。

 

ひとりだったらとっくに途切れてたものを、たくさんの人が繋ぎとめてくれて、ここまできている。

 

それを途切れさせないように。

「Monochrome」=「骨と血」

 

まるで涙のような一枚ができました。

 


「Monochrome」
1人でも多くの人に届くことを願って。
2016年12月24日(クリスマスイヴに)
カタヤマヒロキ