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九州ツアーを終えて

飛行機で東京を旅立ち、祐太朗と同じ便で二人で大分空港へ降り立つと、とても寒かったのを覚えている。

大分空港へ行く度に寂しいような、でも気が引き締まるような感覚におそわれる。それもあり余計に寒く感じて、薄着で来た自分を恨んだ。

 


 

毎年この季節になると九州へ来ている。

何故ならこの季節はサーキットイベントなどで一年で九州にもっともバンドが集まるからだ。

今年もやってきた。一週間と数日を九州で過ごして、合計六本のライブをやった。

福岡、小倉、長崎、小倉(アコースティック)、大分、熊本。

ツアーを振り返るのはラジオではよく喋っているが、ブログではめったに書かないのだが今回は少しだけ綴ってみようと思う。

 


 

 

初日は天神で行われるサーキット「ONTAQ」へ出演させて頂いた。

到着して早速とんこつラーメンを食べて、いざライブへ。

本番中に機材トラブルがあり…というよりもどうやらワタクシが原因のようでした…。

終了後、祐太朗に大分弁で「ステージで走ったらダメだよ。」という意味のことを言われてしまい、人から走ったらダメなんて注意されたのは小学生以来で反省した、ふりをしていた。

 

翌日の小倉。久し振りの小倉FUSEでのライブ。

噂に聞いていた天ぷら屋さんへ一人で行った後、楽屋で話していたら祐太朗も行ったとか。さすがに幼稚園から一緒にいると思考回路や行動パターンが似てくるのだと笑った。

新曲も披露して、アンコールまで無事に終え、小倉FUSEにDVDを置かせて頂いた。

 

翌日はオフだったので福岡市内へ。
昼に行きたかった鯛茶漬けのお店があったのだが営業時間に間に合わず、急遽福岡B級グルメとして噂を聞いていたお店へ。大満足でまたひとつお気に入りのお店が増えた。

 

そのあと耳鼻科に行き、天神の秘密基地へ。Droog合宿。そこでこれまた美味しいものを沢山頂き、優しい人に触れ、素敵な空間へ触れて、鋭気を養った。

 

あー、思い出したら泣けてきちゃう(涙)
そして翌日は久し振りの長崎へ。
二年ぶりに行ったちゃんぽん屋さんにはその時に書いたサインがしっかりと飾ってあり、
店のお父さんが「はやく売れんね!」と愛情たっぷりの皿うどんを作ってくれた。

 

そのおかげもあり、その日のメンツ的に終始浮いていたDroogだけど、しっかりと地に足をつけてステージに臨めた。はずだ。たぶん。いや、確かに。

 

新たな出会いもあり、良い一日となり、翌日は出発まで時間があったのでふらっと一人で出島へ行ってみた。

 

天気はとても良く、海の風が気持ち良かった。

この気持ちの良い海へいつも持ち歩いてる母の骨を少し、撒いた。

そして目を閉じてしばらく祈って、母への思いを馳せた。

 

まだまだ全国は行けてないけど、着実に少しづつ大切な場所が増えている。お墓ではないが、ひとつひとつの土地が意味のある大切な場所へと変わっていく。いや、変えてくれる。ありがとう。

 


そして再び小倉へ向かう。次はアコースティック、unplugged droogのワンマンライブ。一度の九州ツアーで小倉へ二回行くなんてあまりないでしょう。でも小倉が好きなんだ。単純に。理由はそれだけ。

 

MCで「小倉の街には悲しい女が多い気がする」と言ったら笑われてしまった。決して失礼な意味ではなく、強さを感じるということ。そう、九州の根が強い女性らしさを感じる。

アコースティックワンマンは大成功。あの場所にいてくれた人は本当にDroogのことを強く思ってくれているのだと感じて、ほんと、なんていうか、大切な人たちです。

 


 

大好きな友だちにも会えて、後ろ髪引かれつつ大分へ。

 

翌日、午前中は姪の卒園式に出席。おじさんもスーツを着て、姪の一挙一動に涙。大きくなったな。例えどんな子に成長しようと、おじさんは一生きみの味方だ。

 
そして午後はタワーレコード大分店とのコラボで「月刊カタヤマ」というフリーペーパーを発行して頂いているので、挨拶に伺って世間話。やっぱり好きです。ここ。
ライブ本番。有り難いことに沢山の友だちも見に来てくれていた。でも、ステージから姿が見えると、その、ちょっと恥ずかしいんだよ。嬉しいけど。

 


そして翌日は法事があり、お寺へ。
お坊さんに説法を説いてもらう。

 

その中で「ありがたい」という言葉の由来は「有るが 難き(あるが がたき)」と教えてもらった。「有る」ことが 「難い」と。
滅多にない、珍しくて貴重だとかいう意味だ。

 

確かにその通りであり、このツアーで沢山の貴重な経験をさせてもらっていることに感謝をした。今後、ありがとうと言う時にはこの意味を込めて言おうと思った。

 


そして日曜日、九州ツアー最終日である熊本。余談だが、このツアーの移動中は実家から持ってきたブラック・ジャックをずっと読み返していた。いちいちグッとくるのだ。

 

話を戻そう。熊本サーキットイベント「HAPPYJACK」。毎年出させてもらっていて大好きなイベント。

 

全体の雰囲気がとても良く、人が良く、街が良く、HAPPYJACKでいまいちなライブをした記憶はない。もちろん今日も気持ち良く、うたえた。
でも、きっとこうやって思ったのもDroogを選んで来てくれたきみがいたからだと思う。

長かった九州ツアーはこれにて一旦終了。

 

全6箇所来てくれた人、数箇所も来てくれた人や、東京や横浜などの遠方から来てくれる人もいた。
ワタクシこんなもんだから、ひとりひとりと話したときにそっけない態度と捉えられるかもしれないけど、実は感動していました。本当に嬉しかった。この事は絶対に忘れない。

 

 

きみの気持ちをたっぷりと受け取って上がっていきます。

 

偉そうだけど、手を差し出すから、一緒に上がっていこう。
そのためなら、手も、足も、目も、耳も、髪も、口も、喉も、捧げる。
きみを捕まえるための手。
きみの街まで行くための足。
きみのことを見るための目。
きみの声を聞くための耳。
きみに見られるから格好付ける髪。
きみに伝えるための口。
きみに歌うための喉。

 

 

全てを捧げるよ。
そう全て、だ。
行こう。まだまだ小さなバンドだけど行く準備はできている。

たまに美味しいものでも食べながらさ。

 

 

「有るが 難き」
有ることは、難しい。だが、だからこそ「有難い」。

きみは貴重な存在なのだ。

 

ありがとう。

 

 

 

カタヤマヒロキ